「Linuxホストのパッチ」はEnterprise Manager(EM)の強力な新機能で、エンタープライズ内のLinuxホストの管理を自動化するのに役立ちます。「Linuxホストのパッチ」を使用すると、エンタープライズ内のLinuxホストを、Linuxベンダーからのソフトウェア更新によって最新の状態に保つことができます。
「Linuxホストのパッチ」では、参照に基づいたグループ単位のパッチ適用モデルを採用しています。各種パッケージの最新のバージョンを含む、参照用のパッケージ・リポジトリを1つ以上作成し、それらのパッケージ・リポジトリにLinuxホストのグループを関連付けることができます。
「Linuxホストのパッチ」アプリケーションでは、パッケージ・リポジトリを使用して、ホストにパッチを適用するだけでなく、ホストにインストールされたパッケージが参照用のパッケージ・リポジトリに含まれるパッケージから逸脱していないかどうかを監視します。管理上のニーズに合せて様々なグループを作成したり、異なるパッケージ・リポジトリをパッチ適用グループごとに異なる優先順位で関連付けることも可能です。グループ内のホストの更新時期と更新頻度、およびパッケージ・リポジトリを基準としたホストのコンプライアンス状況の判別方法は、グループごとに個別に制御できます。
このアプリケーションの緊急パッチ適用機能は、クリティカルな不具合またはセキュリティ・アラートに対処する更新済のパッケージを、Enterprise Managerを介して構成済のすべてのLinuxホストにただちにインストールするのに役立ちます。
「Linuxホストのパッチ」アプリケーションは、Red Hat Enterprise Linux 3.0以上がインストールされているマシンでのみ使用可能であり、Oracle以外のソフトウェアを最新の状態に保つことを目的としています。
ホストにEnterprise Managerエージェント10.2以上がインストールされている必要があります。
パッチの適用が必要なLinuxホストで管理エージェントが稼働している必要があります。
ホストには、Yellowdog Updater, Modified(YUM)2.0.7以上(2.0.xシリーズ)およびsudoパッケージもインストールされている必要があります。
注意: 「Linuxホスト・パッチ適用」アプリケーションでは、
rootとしてスクリプトを実行するためにsudoが使用されます。起動元ユーザーのパスワードをここで指定する必要があります。/etc/sudoersファイルにtargetpwが設定されていないことも確認する必要があります。
パッチ適用操作を実行する際、ユーザーは次のものがあることを確認する必要があります。
Database Configuration PackまたはApplication Server Configuration Packのライセンス
Red Hat Package Manager(RPM)は、広く利用されているLinuxでのソフトウェア管理ツールです。RPMでの使用を想定したソフトウェア・パッケージは、.rpmファイルとして配布されます。RPMリポジトリを構成する際には、パッチ適用中に「Linuxホストのパッチ」アプリケーションがRPMにアクセスできる既存のRPMリポジトリの場所(URL)のみを指定します。
RPMリポジトリの作成は、「Linuxホストのパッチ」アプリケーションの外部で実行する必要のある別個のプロセスです。
「Linuxホストのパッチ」アプリケーションは、URLによってパッケージ・リポジトリにアクセスします。使用可能なプロトコルはHTTP、FTPおよびFILEです。新規グループの作成を開始する前に、リポジトリのURLに有効なYellowdog Updater, Modified(YUM)パッケージのリポジトリが含まれていることを確認する必要があります。あらかじめ、すべてのパッケージをこのリポジトリ・フォルダに手動でコピーしておく必要があります。
YUMパッケージのyum-archツールを使用して、パッケージ・リポジトリを準備します。これにより、すべてのコピー済パッケージからYUMに必要なヘッダーが作成されます。
重要: この手順は、新規パッケージをリポジトリに追加するたび、または、既存パッケージが削除あるいは変更されるたびに実行する必要があります。
yum-archの使用方法の詳細はYUMマニュアルを参照してください。基本的なコマンドの使用方法は次のとおりです。
yum-arch /path/to/packages/folder
このコマンドは、パッケージ・リポジトリ・サーバー上のすべてのRPMを含むフォルダ内から実行する必要があります。
「Linuxホストのパッチ」アプリケーションを使用すると、複数のパッケージ・リポジトリを1つのLinuxパッチ適用グループに関連付けることができます。
リポジトリは、優先順位の高い順に指定する必要があります。たとえば、3つのパッケージ・リポジトリを指定した場合に、あるパッケージの更新バージョンが最初のリポジトリで見つかったときには、他のリポジトリに同じパッケージの高位バージョンがあったとしても、そのリポジトリは考慮されません。
Linuxホスト・パッチ適用グループは、一緒に更新され、1つ以上のパッケージ・リポジトリに関連付けられるLinuxホストのセットとして定義されます。まず、管理者は管理対象のLinuxホストのグループを作成し、このグループに1つ以上のパッケージ・リポジトリを関連付けます。これらのパッケージ・リポジトリには、認証済、およびこのグループのホストに対して適切であるとみなされるソフトウェア・パッケージ(RPM)の全バージョンが含まれます。
各グループは、1つの更新スケジュールで構成され、これに基づいて、関連付けられているパッケージ・リポジトリでグループ内のホストを更新する再帰ジョブがトリガーされます。
グループ・ページにナビゲートするには、Enterprise Managerで「デプロイ」の下の「Linuxホストのパッチ」に移動します。表示されるLinuxホストのパッチ・ページで、「グループ」をクリックします。
グループ・ページを使用して、既存グループの検索を実行できます。
必要なグループの名前を指定し、「実行」をクリックします。
新規グループを作成するには、「作成」をクリックします。詳細は、「新規グループの作成」を参照してください。
既存グループを削除するには、対応するラジオ・ボタンを選択し、「削除」をクリックします。
新規のLinuxホスト・パッチ適用グループを作成するたびに、「Linuxホストのパッチ」アプリケーションによって、次のタイプのジョブが作成されます。
| ジョブ | 説明 |
|---|---|
| ConfigHostForPatching | グループ内のホストを構成し、そのグループに対して定義されたパッケージ・リポジトリを使用できるようにします。 |
| GatherComplianceInfo | 関連付けられたパッケージ・リポジトリを基準に、Linuxホスト・パッチ適用グループに属するホストのコンプライアンス情報を収集します。 |
| RefreshPackagesInfo | Linuxホスト・パッチ適用のために定義されたパッケージ・リポジトリで、使用可能なパッケージの情報をリフレッシュします。 注意: 各パッケージ・リポジトリに対して作成されるジョブは1つのみです。 |
| UpdateHostPacakges | ホスト上のRPMパッケージを更新します。 |
緊急パッチ適用を実行する場合、「Linuxホストのパッチ」アプリケーションによって、タイプImmUpdatePackagesのジョブが作成されます。このジョブは、選択したホスト上の選択したパッケージをただちに更新します。
パッチを元に戻す操作を実行する場合、「Linuxホストのパッチ」アプリケーションによって、タイプUndoHostPatchingのジョブが作成されます。このジョブは、選択したホストをただちに更新します。
注意: Enterprise Managerのジョブ・ページで、これらのジョブ・タイプのいずれかを指定してLinuxホスト・パッチ適用ジョブの検索を実行できます。
Enterprise Managerのレポート・フレームワークでは、分析を容易にするための次のレポートが生成されます。
| レポート | 説明 |
|---|---|
| 非コンプライアンス・パッケージ | すべてのホストの最新でないパッケージおよびローグ・パッケージを表示します。 |
| 非コンプライアンス・パッケージ(ホスト) | 1つのホストの最新でないパッケージおよびローグ・パッケージを表示します。 |
| パッチ適用可能なLinuxグループのコンプライアンス | パッチ適用可能なすべてのLinuxグループのコンプライアンス情報を表示します。 |
| パッチ適用可能なLinuxホストのコンプライアンス | パッチ適用可能なすべてのLinuxホストのコンプライアンス情報を表示します。 |
詳細は、「レポート定義」を参照してください。
コンプライアンス・ページには、関連パッケージ・リポジトリにコンプライアンスしているグループのホストの数に関する情報が表示されます。また、特定のホスト上のローグ・パッケージの数も識別できます。
コンプライアンス・ページの「ステータス」セクションには、すべてのLinuxパッチ適用グループでのコンプライアンス・ホストと非コンプライアンス・ホストの割合を示す円グラフが表示されます。また、エンタープライズ内のグループおよびホストの総数も表示されます。
グループの詳細を表示するには、「パッチ適用可能なLinuxグループ」をクリックします。
ホストの詳細を表示するには、「パッチ適用可能なLinuxホスト」をクリックします。
コンプライアンス・ホストまたは非コンプライアンス・ホストの詳細のみを表示するには、対応するリンク(円グラフの隣)をクリックします。
パッチ適用可能なグループまたはホストの検索を実行するには、「検索」ドロップダウン・リストから適切な値を選択し、グループまたはホスト名を入力します。「実行」をクリックします。
このページの「ジョブ・ステータス」セクションには、実行中に問題が発生した、または一時停止しているLinuxパッチ適用ジョブの数が示されます(ある場合)。必要なリンクをクリックすると、詳細を確認できます。
コンプライアンス履歴ページには、指定期間内の選択グループのコンプライアンスの詳細が表示されます。必要な期間を「データの表示」ドロップダウン・リストから選択し、「リフレッシュ」をクリックします。
注意: 複数のグループが存在する場合、コンプライアンス履歴ページには、リスト内の最初のグループの履歴データ(指定期間)が表示されます。
Linuxパッチ適用グループのコンプライアンス履歴を確認するには、そのグループに対応する表示アイコンをクリックします。
緊急パッチ適用機能により、強制更新を実行できます。強制更新は、スケジュールされた更新の開始を待つことなく、パッケージを即時に更新する必要があるセキュリティ・アラートまたは重要な不具合の修正などに対応して、実行しなければならない場合があります。
重要: 強制(緊急)更新を実行するたびに、あらかじめ、パッケージを適切なパッケージ・リポジトリにコピーし、yum-archを使用してYUMヘッダーを再構築する必要があります。
パッチ適用を元に戻す機能を使用すると、管理者はソフトウェアを以前の安定したバージョンにロールバックしたり、ソフトウェア・バージョンが不適切である、あるいは不具合やセキュリティの脆弱性をはらんでいることが検出された場合に、その不安定なバージョンを完全にアンインストールする(リポジトリから削除する)ことができるため、「Linuxホストのパッチ」アプリケーションの柔軟性が高まります。
注意: ロールバック・ジョブの完了後、パッケージ・リポジトリに対してyum-archを再度実行する必要があります。
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